25

4月

2011

「カキとトビウオ」と「メイ・アイ」: ケヴィン・エアーズ

少し前に「世界一悲しい声の持ち主」の異名を持つロバート・ワイアットのことを書きました。きょうはその続編です。こちらは彼のお仲間なのに、お世辞にも美声とはいえないボソボソ声。でも、なぜか気になるケヴィン・エアーズ(Kevin Ayers)です。

ケヴィン・エアーズ

ケヴィン・エアーズは、ロバート・ワイアットと同じように、プログレッシブ・ロックとカンタベリー・ミュージックの中心的バンドである「ソフト・マシーン」(Soft Machine)のオリジナル・メンバーです。

 

このバンド、一度たりとも同じメンバーでアルバムを作ったことがなくて、いつも必ず誰かが抜けて新メンバーを入れて、を繰り返したのです(最後は一人もオリジナル・メンバーがいなくなった!)けど、その一番最初に脱退したのがこの人。サイケデリックな曲風だったのが、この人が抜けてからジャズ化していって(実はボクはジャズ化したソフト・マシーンが好き)、曲風もぜんぜん違うようになってしまうんです。

 

ともあれ、ソフト・マシーンを抜けて最初に作ったソロアルバムが「おもちゃの歓び」(Joy of Toy, 1969)で、これも名曲ぞろいの傑作なんですが、ボクの一番好きな曲が入っているのが2作目の「月に撃つ」(Shooting at the Moon, 1970)です。このアルバム、彼の一番有名な「メイ・アイ」(May I ?)も入っているんですよね~

 

でも! ボクが一番好きな曲は「カキとトビウオ」(The Oyster and The Fying Fish)という小品。ウラ~ウラ~ウラ~ウラ~ウラララ~という部分が耳について、とっても心地よいんですよね~ まずは聞いてみてください♪

歌詞は以下のとおり。うーん、どんな隠喩なんだろう?

 

An oyster was a'travelling 
Along the ocean road;
He'd been some time preparing, 
And now he'd left the fold.

He was sick of being oysterized,
And he wanted to explode, to explode.
Ooh la, ooh la, ooh la, ooh la,
La la la la la la la la.

He saw a pretty flying fish
And said if I could have one wish
I'd change into a flying fish,
And then I would be happy, yes I would. 
Ooh la, ooh la, ooh la, ooh la,
La la la la la la la la.

The flying fish came down to see 
Just who had made this plea;
And seeing the poor oyster,
Said this cannot be.
An oyster has to stay inside,
And a flying fish must flee, all the time. 
Ooh la, ooh la, ooh la, ooh la,
La la la la la la la la.

As the oyster turned to go away,
The flying fish was heard to say,
"If I could find a place to stay,
I know I would be happy, yes I would." 
Ooh la, ooh la, ooh la, ooh la,
La la la la la la la la.

ブリジット・セント・ジョン

低い声のほうがエアーズなんですが、もう一人一緒に歌っている人、声の質からロバート・ワイアットが友情出演した?と思ってしまいそうですが、実際は女性のシンガーソング・ライター、ブリジット・セント・ジョン(Bridget St John)という方です。

 

さて、もう一曲紹介しましょう。エアーズの代表作「メイ・アイ」(May I ?)です。上記の「カキとトビウオ」は、まだ言いたいことがあるようなないような歌詞ですが、「メイ・アイ」はもう、、、ただのナンパ・ソングです。こうやって気になる女性に(英語で)声をかければいいのね、って感じです。こちらは最初に歌詞をどうぞ(まったく脱力しちゃいます)。

 

I just came in off the street

Looking for somewhere to eat

I find a small cafe

I see a girl and then I say

 

'May I sit and stare at you for a while?

I'd like the company of your smile'

 

You don't have to say a thing

You're the song without the sing

The sunlight in your hair

You look so good just sitting there


'May I sit and stare at you for a while?

I'd like the company of your smile'

いかがです? 歌詞はともかく、何か耳に残る曲だと思いませんか? なお、エアーズの手前でベースを弾いているのは、当時、17歳のマイク・オールドフィールド(Mike Oldfiled)です。この2年後、スタジオにこもって多重録音で「チューブラー・ベルズ」を完成させて、一躍有名になったんですね(映画「エクソシスト」のテーマになった曲です)。

 

エアーズのボソボソ声、基本的に好きになれないのですが、それでもついつい聞きたくなる、中毒性のあるところがエアーズの特徴かもしれません(自分でもよくわからないんです、この声絶対にヘンだと思うので)。ともかく、そんな中毒性のある曲を最後にいくつか紹介しときます。

 

一曲目は、「おもちゃの歓び」から「Singing a Song in the Morning」。二曲目は、サード・アルバム「彼女のすべてを歌に」(Whatevershebringswesing, 1971)から、「Stranger In Blue Suede Shoes」です。後者は特にひどい歌い方だけど、Thank you very muchが耳から離れない~

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