05

3月

2011

ふしぎでせつない:ルート225

今回はズルして、おしゃれJAPANと同じコンテンツでお許しを。藤野千夜「ルート225」が題材です。

ルート225(映画)

まずは簡単な内容紹介から(アマゾンより):私と弟が迷い込んだのは、微妙なズレのパラレルワールド!?変わらない日常、だけど誰かのいない世界。同時代のせつないくらいのリアルさを、軽やかにつかみとる著者初の書き下ろし長編。公園に弟を迎えに行って帰ってきたら、家からママがいなくなっていた…。中2のエリ子と中1のダイゴが迷い込んだ、微妙にズレたパラレルワールド。学校もあるし、普段と変わらぬ日常が続いているようなのに、なぜか両親がいないのだ。おまけに、死んだはずの同級生が生きていたり、プロ野球選手がちょっぴり太っていたり。一体どうして?必死で試みる母との交信から二人の軽やかで切ない冒険が始まる。

 

というように、典型的なパラレル・ワールドものです。SF小説では枚挙に暇がないパターンのストーリーなんですが、作者が書きたいのはSFじゃないんですね。「微妙にズレた」がミソで、ちょっとずれてるだけなんです。でも、両親がいない。このぽっかりと心に空いた喪失感と、それを乗り越えていくことを描きたかったんだな、って思います(藤野さん、違ってたらゴメンナサイ)。それも乗り越えていく、っていうと、ちょっとヒューマンストーリー・チックというか、これまたよくあるパターンなんだけど、主人公たちはちょっと違って、否が応でも慣れていく、って感じなんですね。だからラストの展開は意表をつかれました。

 

ボクの場合は最初に映画でみたので、まず、映画の予告編をご覧ください。

もし映画の出来は?と聞かれたら、それはそんなに高得点じゃないかもしれない。そんなに盛り上がりのあるストーリーじゃないし、何より、「え?こういう結末? 何ソレ!」って思う人もいるだろうから。でも、ボクはまったく私的にこういう映画は好きです。特に、主演の多部未華子がうまい! とにかく頑張って頑張って元の世界に戻ろうとして、今度こそは、と思ったあとの落胆、泣き笑いの表情が思わずグッときました。この場面は、小説にも、あとで紹介する漫画にもないので、個人的には映画バージョンが一番心に残っています。

ルート225(漫画)

漫画は志村貴子の作画で、主人公のかわいさ、弟のけなげさは、このバージョンが一番伝わってくるかもしれません。1歳違いの姉弟の関係って、きっと、こんなギクシャクしたものかもしれない。うちの3歳違いの長男長女も、妹のほうは小学生のころは「ニーニー」って呼んでた(兄は嫌がってたからギクシャクは小さいときからだった)けど、いつのまにか「兄ちゃん」にかわり、いまや直接は口をきかないですし^^ 

 

でも、突然に両親がいなくなって、弟の保護者役が回ってきたら、、、、。ギクシャクしてるのが急に変わることなんてきっとない。でも、それでも少し変わる。やっぱり微妙に弟をかばうようになるだろうし、年が近いせいもあって、頼り頼られる関係に、ほんの少し変わっていく、のではないでしょうか。というより、この作者(藤野千夜)は、ルート225の中で姉弟の関係をそう描いてるし、志村貴子は忠実にそういう関係として2人を描写しています。とってもリアルなんです。そこがボクはいいなと思うし、人によっては、主人公がクールすぎてて共感できない、というふうに思うかもしれません(アマゾンのレビューを読んでも、そういう声がいくつかありました)。

おしゃれJAPANで取り上げたのは、この漫画バージョンの英訳版がネット上で公開されてるから。第1章はそちらで全部読めるようにしたし、すべての章がアップされているネットのURLも載せてあるので、ご興味がある方はそちらをのぞいていただければ。ただ、こちらは英語のことを話題にするブログなので、その一場面の英語のやりとりを紹介しましょう。

 

Daigo: Haven't we been walking around in circles?

Eriko: Come on! Don't say creepy things like that.

D: But come on...Maybe we're in the twilight zone or something...

E: You always read nothing but articles on supernatural phenomenon, occult and urban ledends. I hate those things. 

 

元の漫画はこんなやりとりです。

 

「ぼくたちさっきから同じとこ歩いてない?」

「ちょっと! 気味悪いこと言わないでよ」

「だってホラ、、、逢魔が時とかそうゆうの、、、」

「おーまえは超常現象とか心霊現象とか都市伝説とかそんなんばっか読んでっけどなあ。あたしはだいっきらいなんだよ!」

 

「逢魔が時」「超常現象」「心霊現象」「都市伝説」の英語表現はもうバッチリですね! 試験にも実生活にも役立ちませんが^^

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